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制度信用取引と一般信用取引の違いとは

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制度信用取引と一般信用取引の違いとは

こんばんは、ポチです。

前回の記事ではクロス取引の大雑把な方法をご説明させていただきました。

早速クロス取引にチャレンジしてみようと思った方がいらっしゃれば嬉しいのですが、もう一つだけ重要な説明が残っています。

信用口座を開設して注文画面を開くと、現物取引では見慣れない項目が出てきたのではないでしょうか。

「信用区分」という項目があり、4つの選択肢が並んでいるようです。これは一体なんなのでしょうか。

今回の記事では、この信用区分と、それぞれのメリット・デメリットについて説明していきます。

 

信用取引という言葉は、株をかじっていれば必ず聞く単語ですね。

実はこの信用取引、「制度信用取引」と「一般信用取引」の二種類に分類することができるのです。

一般信用は証券会社によっては「無期限」「14日」「1日」と、返済期間によって分類されており、それぞれ銘柄と貸株料が異なります。

例えば楽天証券では、14日が最も優待クロス向けの銘柄選定となっています。

では、制度信用と一般信用は何が違うのでしょうか。特徴をざっと表にまとめてみました。貸株料は楽天証券の数値です。また、一般信用は短期(14日)のデータとなります。

制度信用(60日) 一般信用(14日)
対象銘柄 証券取引所の基準 証券会社が選定
貸株料(年) 安い(1.1%) 高い(3.9%)
在庫切れ時 逆日歩が発生 売り切れる

クロス取引で関係してくる違いは主にこんなところです。

まず、対象銘柄ですが、それぞれ選定基準を定めている機関が異なっています。

制度信用は、証券取引所の定める一定の基準を満たす銘柄のみ取引可能です。東京取引証券取引所の選定基準はこちらで、銘柄一覧はこちらです。

証券金融会社が在庫を調達しており、日本では日本証券金融という会社が唯一この業務を担っています。

制度信用銘柄は更に「貸借銘柄」と「信用銘柄」に分かれており、前者は買建・売建が可能で、後者は買建しかできません。空売りする場合には貸借銘柄から選択する必要があります。

選定基準を満たす銘柄は基本的に安定した大型株となり、優待の有無は関係ありません。

一方の一般信用は対象銘柄に制限がありません。全銘柄の中から、各証券会社が取り扱いを決めた銘柄のみ取引することが可能です。

証券会社が株を調達するため、証券会社のパワーによって銘柄数も在庫数も大きく差があります。

ちなみに、楽天証券の一般信用14日などは優待銘柄ばかりを取り扱っており、証券会社もクロス取引を積極的に推奨している印象です。

 

続いて、貸株料ですが、これは信用売りをする際に支払う料金です。

手数料は株を所有している日数によって変わってきますから、所有日数を減らせば減らすほど安く抑えることが可能です。が、一般信用では在庫との相談ですね。

制度信用と一般信用を比べてみると、一般信用のが3倍も高くなっています。この高い手数料を払ってまで一般信用を使う人が多い理由は、次の在庫切れ時の仕組みにあります。

 

最後の在庫切れ時の仕組みですが、制度信用でも一般信用でも、空売りできる単元数には制限(=在庫)が設けられています。

優待が人気の銘柄はクロス取引をする人も多いため、空売りが殺到し、いずれこの制限に達することになります。

一般信用ではこの制限に達すると空売りが不可能になってしまうのですが、制度信用では無制限に空売りをし続けることが可能です。(売り禁時を除く)

当初の在庫がなくなっても、証券金融会社が投資家に手数料を支払って株を調達し続けているからです。

ここで発生した手数料は、空売りしている全投資家が負担を求められることになります。

この手数料のことを逆日歩(ぎゃくひぶ)と呼びます。

この逆日歩が非常に厄介で、翌営業日までは逆日歩が発生するのかしないのか、何円になるかがわかりません。

2017年には築地銀だこを経営するホットランド(3196)で高額の逆日歩が発生し、優待の1500円のお食事券に対して13500円の逆日歩を支払うという事態になっています。

人気の銘柄ほど逆日歩が発生する可能性も高いため、リスクを回避するなら一般信用を狙いたいところです。

逆に、毎年逆日歩が発生しておらず、制度信用を狙えるのであれば、コストを低く抑えることが可能です。

 

というわけで、制度信用と一般信用の違いをご紹介してみました。

クロス取引に関連する差異を中心に紹介しましたので、もっと細かい違いは調べてみてください。

制度信用も一般信用もクロス取引が可能ですが、最初のうちは一般信用のみで挑戦し、在庫切れ時にはおとなしく諦めるのが賢いと思います。

クロス取引はコツコツ稼ぐのが醍醐味なのに、高額の逆日歩を食らったら一発でマイナスですからね…。

次回は現物買いの手数料を抑える、いちにち信用から現引する方法について紹介する予定です。

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サエキさんと共に優待クロスを楽しんでいるにわかトレーダー

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