20代金融OLの佐伯さんがお金の話をするブログ

株主優待取得のリスクをゼロに!クロス取引とは

calendar

reload

株主優待取得のリスクをゼロに!クロス取引とは

おはようございます。ポチです。

前回の記事では、株主優待・配当を取得する方法と、権利落ち日の株価の下落リスクについてご説明しました。

今回は、この下落リスクをゼロにできる「クロス取引」について紹介していきたいと思います。

 

さて、御存知の通り優待を受けるための条件は「権利付き最終日に株を現物で保有していること」ですね。

この権利付き最終日の翌日は、権利が確定したので株を手放してもよい「権利落ち日」となります。

優待をもらってしまえばもう用はない、という投資家が売りを出すため、株価が大幅に下落する傾向があります。

前回も紹介したこちらの銘柄、権利落ち日の6月27日には100円以上も下落しています。

優待・配当利回りが高い銘柄ほどこの傾向が強く、権利付き最終日に向けて株価がゆるやかに上昇し、権利落ち日には一気に元に戻るような値動きがよく見られます。

優待が欲しいだけなのに、毎回このリスクに怯えるのはちょっとつらいですよね。

では、どうすればこのリスクを回避することができるのでしょうか。単純に、買った株価で株を売却できれば、プラスマイナスゼロで取引を終えられそうですね。

この取引を実現するのが「クロス取引」と呼ばれる取引方法です。

 

通常、売買の株価を同じにしようと思った場合、売り注文を買値と同じ指値で行いますね。しかし、権利落ち日の下落の中では約定は難しいでしょう。

かといって権利落ち日前に予め売り注文を出しておけるかというと、現物取引では不可能ですよね。

こんなときに登場するのが信用取引です。信用取引は、現金や株を担保にして、実際の余力よりも多くの株取引を実現する制度です。

この制度を利用することで、現物を保有しない株でも売り注文を出すことができる「空売り」ができるようになるのです。

現物の買いと空売りを全く同じ株価でできれば、どんなに値動きがあったとしても損益はプラスマイナスゼロになりますね。

では、株価を一致させるために指値注文が必要でしょうか。ここでもう一つの株取引の仕組みが登場します。

前場と後場の最初(寄り付き)に処理される注文は、板寄せ方式で行われます。この方式では、まず成り行き注文が全て約定し、続いて指値注文が約定します。

簡単に言うと、寄り付きまでに買いと売りを成り行きで注文しておけば、基本的に同じ株価で約定するということになります。

クロス取引では、この仕組みを利用して現物買い・信用売りを寄り付き前に成り行きで注文しておき、同じ値段で保有することになります。

ただし、信用売りは全部の銘柄でできるわけではないので、現物買いをする前に信用売り対象銘柄か確認してから取引するようにしてください。

 

ここまでの手順を踏むことで、売買注文を同日同価格で約定させ、株価の変動リスクから開放されました。

この状態で権利付き最終日を迎えた場合、現物で株を保有しているため、優待・配当を得る権利が確定します。

では、信用売りで保有している株はどのように影響するでしょうか。

なんと、現物とは逆に配当分のお金を支払う必要が出てきます。このお金を「配当落調整金」といい、クロス取引の場合は配当を得る権利と支払う義務が同時に発生することになっています。

結局これで配当は相殺されていまうため、クロス取引では株主優待しか手元に残りません。これがクロス取引最大のデメリット。

利益も損益もすべて相殺され、残った株主優待だけ手元に残るというノーリスクローリターンな取引がクロス取引なのです。

さて、クロス取引の説明も終盤ですが、権利落ち日を迎える前に必要な作業が残っています。

普段ならさっさと現物株を処分するところですが、今回はクロス取引をしているので信用売りが残っていますね。

信用売りを処分(手仕舞い)する方法として「現渡(げんわたし)」という制度があります。現物渡すの名の通り、信用売りを現物で補填して相殺してしまうことができるのです。

現渡では現物買いと信用売りが同時に処分されるため、わざわざ個別に注文する必要がなくなります。しかも殆どの証券会社では現渡の手数料は無料なため、普通に取引して処分するよりお得になっています。

クロス取引では権利落ち日(証券会社によりますが、権利付き最終日の夕方以降ならOK)に現渡注文を必ず行い、取引を終えるようにしましょう。

なお、現渡は同一銘柄同一株数でしかできないため、最初に仕込むときも買った分だけ空売りするのを忘れないようにしてください。

 

ここまで長々とクロス取引の紹介をしてきましたが、最後にその手順を簡単にまとめて終わりたいと思います。

  1. 権利付き最終日までに、同日の寄り付き前に現物買い・信用売りを成り行きで注文する
  2. 権利落ち日に、現渡注文をする
  3. 優待が届くのを待つ

以上!あんなにいっぱい書いてきたのに、まとめるとたったこれだけの手順となります。

配当落調整金などは勝手に引き落とされるはずなので、私たちが支払うのは通常取引手数料のみとなります。

最もローリスクで優待を取得できる方法ですので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

 

次回以降の記事では、クロス取引をするためのもう少し細かい信用取引の説明と、注意点を紹介していきたいと思います。

にほんブログ村 株ブログ 女性投資家へ にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ

サエキさんと共に優待クロスを楽しんでいるにわかトレーダー

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す




日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)